interview

移住者インタビュー

船木俊作さん

インタビュー時期:2026年1月

新潟県出身・35歳。東京で約10年間暮らした後、妻とともに北秋田市へ移住。現在は妻と2人の子どもの4人で暮らしています。都内の企業にフルリモート勤務しながら、北秋田市での暮らしを楽しんでいます。

船木俊作さん (Iターン)

北秋田市に移住したきっかけを教えてください

妻と結婚することになって、妻の地元である北秋田市に遊びに来たのが最初のきっかけです。

実際に来てみると自然が豊かでしたし、北秋田市の人はシャイですが、意外と情に厚いんですよね。そういう人柄も良いなと思いました。

その後、コロナ禍に入って、僕が働いている会社もリモートで仕事ができるようになり、「東京にいる必要ないよね」という話を妻としていました。

そこで、別の場所で暮らそうと考えた時に、北秋田市が選択肢に挙がりました。

今は妻の実家に住んでいるわけではなく、自分たちで中古の家を買って暮らしています。

移住した時は夫婦2人でしたが、こっちに来てから子どもが生まれて、今は4人家族になりました。

北秋田市に移住して、どんな印象を持ちましたか?

やっぱり一番は自然が豊かだということですね。

家の近くにも大きな公園があって、移住する前から「子どもができたら、こういうところで遊ばせられたら良いな」と思っていました。実際に今は子どもを連れて遊びに行っています。

あと、キジが普通に近所を歩いていたのには驚きました。

そういう自然との距離の近さは、こっちに来て感じた面白さの一つですね。

一方で、冬は想像以上でした。

僕自身、新潟出身なので雪には慣れているつもりだったんです。でも僕の地元は海沿いなので、北秋田とは雪の降り方が全然違います。

実際に冬を過ごしてみて、「新潟より雪国だな」と思いました(笑)。

玄関前や車庫の前は自分で雪かきをしていますし、カーポートの雪下ろしもします。今年みたいに雪が多いと、やっぱり大変ですね。

北秋田市でお気に入りの場所や食べ物はありますか?

春から秋にかけては、子どもを連れて近くの大きな公園によく行きます。

上の子は今3歳なんですが、いろいろなことができるようになってきたので、これからもっと遊べるようになるかなと思っています。

食べ物だと、僕は蕎麦が好きなので「いな穂」の蕎麦が好きですね。
比内地鶏もやっぱりおいしいですし、町中華も好きなので、市内に昔からある地元のお店に行くのも好きです。

東京とは店の数も種類も全然違いますけど、地元の人がやっているおいしい店が意外とあるんですよね。そういうお店を見つけるのも、こっちに来て良かったと思うところです。

北秋田市にあったら良いと思うお店やサービスはありますか?

他の市にあるもの、全部ほしいですけどね(笑)。

真面目なところで言えば、やっぱり医療は大事だと思います。市民病院もありますけど、これからも安心して暮らしていくためには、医療が充実していてほしいですね。

子育てをしている立場からすると、冬に子どもを遊ばせられる屋内施設も、もう少しあると良いと思います。
北秋田は冬が長いので、外で遊べない時期に子どもを連れて行ける場所が増えるとありがたいですね。

あとは僕がフルリモートで仕事をしているので、家以外でちょっと仕事ができるコワーキングスペースやWi-Fiが使えるカフェみたいな場所が近くにあると嬉しいです。

ずっと住んでいると慣れてきて、「住めば都」みたいなところもありますけどね。

移住前に不安だったことや、実際に暮らして大変だったことはありますか?

移住前に一番不安だったのは、言葉ですね。

秋田弁というか、かなり訛りが強い方もいるので、「ちゃんと聞き取れるかな」「コミュニケーション取れるかな」という不安はありました。

妻のお父さん、お母さんはほとんど標準語なので大丈夫だったんですけど、やっぱり年齢が上の方になるほど、今でも聞き取るのが難しい時があります。

ただ、何年か暮らしていると、なんとなく分かるようにはなってきます。

僕が適当な返事をしていると、向こうも「あっ、分かってないな」と気づいて、もう一回丁寧に話してくれたりするので(笑)。

最初は「言葉の壁」と感じていましたけど、少しずつ慣れていくものだと思います。

北秋田市に、これからどんなまちになってほしいですか?

若い人が希望を持って住めるまちになってほしいですね。

仕事が安定していることだったり、週末に遊べる場所があったり、「ここで暮らしていける」と思える環境があることは大事だと思います。

一度外に出た人にも、「北秋田に帰ってきたい」と思ってもらえるまちになったら良いですよね。

あと、移住者のインタビューを読むと、「地域のために何かしたい」という強い思いを持って移住してきた人が多いですよね。

もちろん地域のために何かできたら良いとは思っていますけど、基本的には今までの東京の仕事を続けながら、ここで普通に暮らしています。

だから、「地域のために何かしなければいけない」という使命感を背負わない移住も、全然悪くないと思っています。

いろいろな移住の形があって良いんじゃないでしょうか。

休日はどのように過ごしていますか?

基本的には土日祝日が休みです。

冬は「1日雪かきして、もう1日は出かける」みたいな週末もあります(笑)。

子どもがいるので、ドライブして市内や市外に遊びに行くことが多いですね。

それから最近、犬も家族に加わりました。

去年、家具屋さんに行ったら、突然犬が店の中に飛び込んできたんですよ(笑)。

首輪はしていたので、とりあえず僕が捕まえて警察に届けたんですけど、結局飼い主が見つからなくて。

家族とも「飼い主が見つからなかったら、うちで飼おうか」と話していたので、そのままうちの犬になりました。

今は子どもと出かけたり、犬の散歩をしたりしています。

東京にいた頃は家で過ごすことが結構多かったんですけど、北秋田に来てからは意外と外に出ることが増えましたね。

これからやってみたいことはありますか?

北秋田に住んでいても、まだ堪能出来ていないことが結構あると思っています。
例えば、森吉山。

いつか子どもと一緒にトレッキングやハイキングをしてみたいですね。

四季美湖でSUPみたいなアクティビティにも興味があります。妻がそういうアクティビティが好きなので、家族でやってみたいです。

仕事の面では、今まで東京の仕事が中心でしたけど、最近は北秋田市の観光に関わる仕事にも少しずつ携わるようになってきました。

最初から地域に貢献しようと思って移住してきたわけではありませんが、暮らしているうちに人とのつながりができて、地元の仕事にも関われるようになってきました。

そうやって少しずつ地域とのつながりが広がっていることは嬉しいですし、これからもう少しやっていきたいと思っています。

これから北秋田への移住を考えている人へ

まずは、一度遊びに来てもらうのが一番だと思います。

来てみると、都市部から意外とアクセスが良いことも分かりますし、「自然しかない」というところが、逆に良かったりもします。

実際に来て、自分で見て、感じてもらうのが一番ですね。

それと、移住するからといって、「地域のために何か貢献しなきゃ」と強く思わなくても良いと思います。

もちろん、そういう思いを持って移住してくる人は素晴らしいです。でも、みんながそうでなくても良い。

僕自身もそうでしたし、「ここ良いな。じゃあ住んでみようか」くらいのフラットな気持ちで良いと思うんです。

住んでみて、人と知り合って、地域のことを知っていく。その中で何かやりたいことが出てきたら、その時にやれば良い。

北秋田での暮らしを長い目でゆっくり堪能してもらえたら良いと思います。

インタビューを終えて

移住者インタビューをしていると、ついその人の「移住してなにをしているのか」「地域にどう関わっているのか」に目を向けてしまいます。

僕自身、どこかで「移住者を紹介するなら、地域への思いや活動があった方が記事になる」と考えていたのかもしれません。

でも、船木さんの話を聞いて、その考え方は少し違うなと思いました。

仕事を変えなくても良い。地域を盛り上げる活動をしなくても良い。大きな目標を掲げなくても良い。

「ここで暮らしたい」と思って、家を買い、家族が増え、子どもと公園へ行き、雪かきをして、犬を散歩させる。

そんなごく普通の暮らしを北秋田市ですることを選んでくれること自体が、地域にとって十分嬉しいことなのではないかと思います。

そして面白いのは、最初から地域との関わりを求めていなかった船木さんが、暮らしていく中で自然と人とのつながりが増え、今では地元の仕事にも少しずつ関わり始めていることです。

地域との関係は、移住した瞬間に完成するものではない。

何年も暮らしながら、人と出会い、その土地を知り、自分なりの居場所が出来ていく。

移住は「地域のために何をするか」から始めなくても良い。「ここで暮らしてみたい」から始まって良い。

船木さんの話を聞いて、そんな当たり前のようで大切なことに改めて気づかされたインタビューでした。